2次元翼型まわりの流れ解析・翼型最適化 参考文献編

こんにちは。yuukivelです。

最近、色々あった理由からとうとう麻雀に手を出し、どっぷり浸かっています。今日の記事の内容、2次元翼型まわりの流れ解析・逆設計・翼型最適化と相まって僕の時間がどんどん食われている状況です(笑)
遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)の最適化を回しながらスマートフォンで牌を切る日々が続いております。(といってもここ数日ですが)

閑話休題。さて、本題に行きましょうか。


今回の内容はタイトル、そして前置きの中にあったとおり、2次元翼型まわりの流れ解析・逆設計・翼型最適化である。
イメージでイメージ(画像)を乗せればこんなやつ。この図は翼型の接線方向の速度をグラフに示したもの。ポテンシャル流れ(後述)を仮定している。

そもそも2次元翼型に手を出したのは、純粋な興味8割、人力飛行機への応用の必要性2割だった。このうち後者を具体的に述べれば、人力距離競技機における低迎角で揚抗比のよい翼型の必要を感じたからだ。

というわけで、確か3月中頃くらいからだっただろうか、2次元翼の設計や解析について論文や参考文献をあさっていた。最初のうちは英語論文ばかりで、とっても読むのが大変だった。しかも某国の航空宇宙学会の論文は有料なものが多く、手に入れるのに苦労した論文もあった。このとき見つけた英語論文で参考になるものをいくつか挙げていこう。

まずはUIUCのMichael S. Selig先生の論文。(英語が読めれば)かなり参考になる論文がUIUCの応用航空力学グループのホームページにアップロードされている。(http://www.ae.illinois.edu/m-selig/publications.html)
その中でも、翼型の逆設計(圧力分布を決めて翼型の形を決める方法)の論文として
"Multipoint Inverse Airfoil Design Method Based on Conformal Mapping" PDF

"Generalized Multipoint Inverse Airfoil Design" PDF

の2つがわかりやすい論文。この論文の中身は"Conformal Mapping"といって円柱周りの速度分布を翼型周りの流れに写像して任意の速度分布の翼型を得る方法。Selig先生が提唱する方法では、ある部分はこの迎え角でこの速度分布、またある部分は別の部分でまた違った速度分布を、といった形で速度分布を指定できるため、自在な翼設計ができる。
…といっても圧力分布を自在に扱えなければ意味がないのだが…その実力は僕はまだ持っていません(泣)

で、圧力分布に関する有名な論文を1つ。プロペラ設計法の1つ、Adkins&Liebeck法で有名なRobert H. Liebeck先生の
"A Class of Airfoils Designed for High Lift in Incompressible Flow" (有料論文)
が挙げられよう。

こんなところを(苦労して)読みながら、なんとか日本語論文はないかと探っていたところ、あった。今回作成した2次元翼型解析ソフトは以下2つの論文を参考とした。
"多翼素翼型の逆問題の解法" 重見 仁 http://repository.tksc.jaxa.jp/pl/dr/NALTR0571000
"低速で高揚力を得るための多翼素翼型の設計" 重見 仁 http://repository.tksc.jaxa.jp/pl/dr/NALTR0631000

そしてこの本があって2次元ポテンシャル流れのCFDは完成した。
「流れの数値解析入門」水野明哲 朝倉書店

記事が長くなりそうなので、二分割して書こうかと思う。続きは、2次元翼型まわりの流れ解析・翼型最適化 実践編 で!