試験飛行反省のまとめ

試験飛行予定はだいぶ先なので反省点や来年度活かすべきことを備忘録的に書いていこうかと思います。



まずはチームの状態について考えよう。機体を製作し、いざ試験飛行という状況でチーム構成員の試験飛行フォロワー経験がどれだけあるだろうか。

チームを率いる3年生は基本的に前年度の機体の試験飛行のみを経験している。
2年生は1年生の時に参加もしくは他チームTFに参加しない限りゼロである。つまりチームの約半数の試験飛行経験はゼロである。

そしてパイロットも、シミュレータで相当練習を積んでいる等しない限り、飛行機の操縦経験はゼロである。

さらには設計者も、相当なことが無い限り試験飛行指揮経験など無いのである。


ここから導かれることはなにか。「『フォロワーの追いつけない機体』を上の条件のもと試験飛行するのは不可能である。」


こんなことに気づくのに3回の試験飛行とクラッシュを費やしてしまった。本当に憂慮すべきことだ。
しかし、現在の多くの学生チームはこの結論が見えていなかった、もしくは見えていないように思える。それは最近派手にちらつく”幻”のためだ。


経験は目に見えない。しかし確かに実在する。


卑近な例を挙げよう。大学受験における浪人生と現役生の関係である。(ただの例です。どちらが優れているという話ではありません)
いま、うちのチームは模試の成績を上げようとして無理に難しい参考書を買いあさっている現役生にたとえられる。
解答の書き方や思考の筋道が分かっていないために原理は理解しているつもりでも点の伸びない現役生である。

では浪人生に勝つためにはどうするか。
基礎からこつこつ勉強していき、最後のスパートで追い越す。ということだ。



今年度出来ること。

・迎角をかなり大きく設定し、フォロワーが追いつける機速まで下げる。
パイロットに定常速度以下で機首上げさせ、そのまま離陸し定常に入る練習をする。
   →これは設計点設定のときにフォロワーの追いつける速度で離陸させ、定常に入るための練習である。
   →地上でロールが始まると操舵では基本的に戻せないと考えておくべきだと思う。フォロワーがいる段階で離陸させる
パイロット、フォロワーの習熟度が十分と判断できたら、徐々に機速を上げていく。
・ある程度のクラッシュ(翼擦り等)は覚悟しなければならない。「飛ばない機体はクラッシュしない」

最後はいかに製作者に理解してもらうかだと思う。いまこれに苦労している。


来年度設計に活かすべきこと
・もっとも外の翼とその内側は桁長を短くして翼擦り時の修復箇所を最小限にした方が良い
・8.4m/sくらいで飛行できるように設計する。翼型、翼面積を決定するときに必ず試験飛行の速度制限を考慮に入れる。
・ペラ推力は大きめに設定した方が良い。桁径の問題もあるし、接地時の加速を考慮すると(定常時の抗力)=(ペラ設計推力)では推力不足なように思う。
・TF用車輪の用意?これは要検討だと思う。

最後に大切なこと。これ単独で記事にするかもしれない。

・スピードレースに勝ち残る上で、機速は絶対的な評価関数では無い。

ということだ。なにを当たり前をと思うかもしれない。しかし、「良い機体を」と思う気持ちは設計者を徒な設計速度増加へと誘う。