初めましての挨拶から飛行機を創る上で持っていなければならないもの。

初めまして。

このブログは、飛行機の設計製作に携わりたいと思う人が、まだまだ未熟な思考を文字に起こそうというものです。
ですから、中身は飛行機関連の様々な内容をごちゃ混ぜにしたものになりそうです。

ずいぶん昔の話、私は割り箸とその袋で適当に飛行機を作ってみました。本当に適当に作っただけです。設計も何もありません。

でも、そんなものが飛んだ。「飛んでしまった」それが私と飛行機の出会いでした。


いま私はある団体で人力飛行機に携わっていますが、その中でたくさんのことを学んでいます。あのときの、何で飛行機って飛ぶのだろう?どうやったら飛ぶのだろう?という疑問にははっきりと答えられるようになりましたが、純粋な、飛んだ!という気持ちにはいつまでも正直でありたいと思っています。



さて、飛行機を「創る」上で最も重要なもの、それは何でしょうか?

私は「思想」だと思っています。こういう飛行機が創りたい。という気持ちです。

この思想の違いによって

XB-70 バルキリー 「高空の超音速ダッシュを長時間維持したい」

であったり、

ダイダロス88 「人が生み出しうる出力の範囲まで飛行機の必要出力を低下させる」

といった感じです。人力飛行機に関わってきたなかで多くの人が考え落としてしまいがちなことは、これら二つは同じ「飛行機」であると言うことです。両機とも、最終的な目標は航続距離を伸ばすことですから、最終的な目標はCL/CD(揚抗比)を大きくする、という点に集約されます。しかしそれに至るための方法が、片や(ちょっと語弊がありますが)「自分の発生した衝撃波に乗って揚抗比をあげる」、片や「アスペクト比を極限まで大きくして誘導抵抗を減らす」であるだけの違いです。

しかし、この方法(私は「設計解」と呼んでいます)がはっきり定まることによりそれ以下の設計が決まってきます。ですからあのように全く違った飛行機となるわけです。私は実際に見たもの、本を読んで知ったもの含めて多くの飛行機に接してきましたが、良いと呼ばれる飛行機は必ずと言っていいほど設計目標がはっきりし、その設計解が見て取れます。私が携わる人力飛行機主翼でもたとえば


アスペクト比を構造の成り立つぎりぎりまで大きくする。」



レイノルズ数を上げて翼型自体の性能を上げる」

といったはっきりとした違いが見えてきます。(上の二つは私がXFLR5で適当に作ったテスト機体の主翼です)

言いたかったことは「設計目標をはっきりさせ、その下にすべての設計を決めていくべきだ」と言うことです。良くしようと思うのはいいのですが、その気持ちは機体を迷走させかねません。そんなこと知ってるという人も多いと思いますが、この記事は自分への戒めも込めてという意味もありますね。